<<超私的、6mリグの思い出>>
最初にハムがQSOしているところを目撃した時に使っていたのはTR−5200でした。ブラックマスクに緑色のダイヤル照明がいかにもトリオらしいスタイルのこだわりを感じさせます。FM・AM全盛期の当時にあってSSBも聞けるとはなんと魅力的なことだったでしょう。ライバルとして存在したIC−71を遥かに凌いでいました。私が無線の免許をとった昭和49年当時は6mのリグといえばAM・FM機でした。初歩のラジオ(この当時は立派な無線雑誌でした。)やハムライフ・CQ誌などハム関係の雑誌もけっこう出ていた時代です。そのころに爆発的に売れていたのが日新電機(消滅メーカー)のスカイエリート6(パナスカイマーク6)でした。スカ6(パナ6)と呼ばれて人気がありました。私は憧れただけでしたが雑誌の広告を穴の開くほど眺めていたものです。2VFO(送受信それぞれ別のVFO―1VFOにする技術が無かった)でゼロインするにはかなりのコツが必要です。FMユニットはオプションで準備されていました。今でも懐かしく思い出されます。札幌の大阪屋(古い!!)のクラブ局(デモ局)のシャックに飾ってありました。その後6mもSSBの時代になっていくのですが開局当時(昭和52年頃)もやはりモードの中心はFM(AMはかなり廃れていた)でした。JA8コンテストや大阪屋コンテストなどでもFMに出られないと上位には行けませんでした。6mSSBに出るためにはリグの調達も大きな問題がありました。1)FT−400シリーズ+アップバーター(=トランスバーター)FTV−650(B無し)、2)FT−620、3)QS−500(ケンクラフトオールキット終段真空管)の3つの選択肢しかありませんでした。(完全自作という手もあったが・・・)HFリグまで必要な1)は予算上からも却下、半田付けさえまともにできないので3)も却下、残るは2)のFT−620となったわけです。その時6mで大ベストセラーとなっていたのがナショナルのRJX−601でした。1VFOの完全なトランシーバーで持ち運びも可能。
ハンディ・・・と呼ぶには大きい筐体ですがこれで十分でした。FMでの楽しそうなラグチュウがうらやましく見えました。コンディションも上昇し続々と各メーカーから最新機が発売されました。トリオは満を持してTS−600を発売。性能は平凡でしたがオールモードの高級機トリオらしい洒落たデザインが魅力的でした。八重洲はFT−620Bからついに伝説となるFT―625Dを発売。高性能・高価格まさにバブリーなリグでした。
1チャンネルのメモリーユニットがオプションで3万円くらいしたのではないでしょうか。これが無いとたすきがけ(死語!!?)ができないので必需品でした。そこに低価格路線で参入してきたのがIC−551オプションを用意して本体価格を下げ10万円を切る値段が人気をよびました。私も中古で購入しましたがPLL2VFOは安定性もあり受信感度さえ気にしなければかなり使えました。当然DX思考の局には受信アンプが必需品でしたが・・・。この頃6mの世界ではハンディ戦争が勃発していました。IC−502TR−1300の争いです。どこに出ているか分からないが6mをVFOでフルカバーする502、方や250までならBFOで抜群の周波数安定性を誇る1300、どちらもリニアをつけると10W固定でも使えましたし甲乙つけがたし勝負無しといったところでしょうか。私はデザイン的にも1300をモービルで使っていましたが。
TS−600の後トリオはHF+6m路線になってしまい結局モノバンド固定リグはこれだけでした。TS−670も遣いましたがやはりHFにオマケの6mという感じが残ります。他のメーカーもお茶をにごしていました。次に買ったIC―575も28・50の2BANDですから完全なモノバンドリグはもう出てこないのでしょうか。しかし最近はHF〜6mまで出られるトランシーバーだと思います。IC−756PROを使ってみると性能的にもHFと遜色ないリグに仕上がっています。メインは6mとして贅沢に使いましょう。これぞ趣味の醍醐味!!。

2003/11/16掲載


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